これは来ましたね。
恐らく現時点で最もコストパフォーマンスの高いSIMフリースマートフォンが登場しました。今までも販売はされていたのですが、12月12日に大幅値下げされたことで一気にその存在感が大きくなっています。
そのSIMフリースマートフォンはHuaweiというメーカーが作った『Ascend P7』というスマートフォンです。これが先日の値下げによって日本で発売されているSIMフリースマートフォンの中ではコストパフォーマンスがZenFone 5を超える最強のSIMフリースマホになったといっても過言ではないでしょう。
高級機の一つと言えた価格がガッツリ下がって、ZenFone 5とほぼ変わらない中級機と同じ価格帯になりながら、その中身はハイスペックな機種ですので、本当にコストパフォーマンスが良いスマートフォンになりました。
Ascend P7の値下げ
Ascend P7は12日に発売されるHuaweiの新SIMフリースマホ「Ascend G620S」の発売に合わせて値下げされました。
Ascend G620Sはこれまで格安スマホとして使われてきたAscend G6よりもハイスペックでありながら、なんと1万円近く販売価格を下げて売られるということで注目を浴びています。どちらかと言えば低スペックで3万円したAscend G6は、コストパフォーマンスの悪い格安スマホだったのですが、約21000円で購入できるようになったAscend G620Sは、格安スマホとしてスペックも高いのでコストパフォーマンスがとても良くなりました。
ただAscend G620Sが21000円だとその他の既存の販売中のSIMフリースマートフォンと価格のバランスがとれません。販売価格とスペックを比較してしまうと、Ascend G620S以外はコスパが悪く購入に値しないと考えることが出来ます。そうした状態を避けようと、12日のAscend G620S販売に合わせて、その他のスマホの価格を大幅に下げてきました。
29800円で売られていたAscend G6は、1万円以上値下げの17000円を定価としました。そして今回取り上げるAscend P7も46800円から値下げされて29800円という購入しやすい価格になりました。
このAscend P7の価格は、そのスペックと比較しても破格と呼べるとんでも無い安さになったのではないかと感じます。
Ascend P7のスペック(ZenFone 5と比較)
なぜAscend P7の価格が破格かと言えば、やはりスペックが非常に高いスマートフォンだからです。
元々46800円という高い定価をつけていたスマートフォンですから、スペックはハイエンドモデル級のものを備わっています。スペック的には46800円という価格が妥当な価格にはなるのが、この値下げで29800円といきなり安すぎるハイスペックスマホになりました。
29800円だと現在高コスパと呼ばれている「ZenFone 5」と3000円しか違いません(16GB定価26800円)。ZenFone 5のコストパフォーマンスの良さが言われるのは、それが「格安スマホ」というジャンルにおいてだからです。低価格スマホの中ではスペックが高いという点においてZenFone 5は優秀な価格を提供していました。
それとわずか3000円という差額で、Ascend P7は「格安スマホ」以上の性能と操作性を提供してくれる最高のSIMフリー端末になっています。現在ZenFone 5に手を出すぐらいならちょっと金額を足してこのAscend P7を購入したほうが遥かにお買い得です。
試しにこのAscend P7とZenFone 5のスペックを比較してみましょう。
Ascend P7 | ZenFone 5 | |
Android | Android4.4 | Android4.4 |
CPU | Hisilicon Krin910T | Snapdragon 400 |
RAM | 2GB | 2GB |
ROM | 16GB | 16GB(32GBモデルあり) |
画面サイズ | 5インチ フルHD(1920×1080) | 5インチ HD(1280×720) |
バッテリー | 2500mAh | 2100mAh |
連続通話時間 | 約14時間 | 約12時間 |
メインカメラ | 1300万画素 | 800万画素 |
販売価格 | 29800円 | 26800円 |
使いやすさのレビュー
Huaweiはクアルコムのチップセットを使っていないため、単純な比較は出来ませんが、とりあえずコア数外サ海外サイトで比較されているベンチマークなどを見れば、圧倒的にAscend P7のほうが上の動作を見せています。
もはや性能比、スペック比ではZenFone 5に「圧勝」しているのがAscend P7なわけですが、その価格差が3000円しかないということで、高性能「格安スマホ」として今現在どんな格安スマホよりも圧倒的です。
一応ホットモックを触ってみての感想ですが、全体的にサクサク使えて本当にストレスなどを感じないスマートフォンです。
ただHuwei端末全体に感じることですが、デフォルトで利用されているホーム画面、ホームアプリは若干重い感覚を受けます。カクカクするというわけではないのですが、スクロールする時やホーム画面に一度戻った時の動作が、全体的にモッサリしているというか全ての動作が半テンポほど余計な時間がかかっているように感じます。
そのためもしもAscend P7を購入して使う際には、まずこのホームアプリの変更を行ったほうがいいでしょう。そして文字入力ソフトもモッサリして反応もあまり良くないため、ATOKやGoogle日本語入力を使うことをオススメします。
それ以外ではそもそも困るところは出てこないでしょう。解像度も高く文字が見やすく、とても薄くて軽さもあります。持ちやすさはそれほどありませんが、全体的なデザイン性はiPhone 4sを想起させて高級感も感じさせます。
周波数帯の対応状況
次はAscend P7の電波状況、周波数対応についての解説です。
恐らくAscend P7はdocomoの回線電波網、特にMVNOの提供する契約で利用することが最も想定される使い方になるかと思います。この点についていくつか注意点があるのでそちらを解説するためにも対応する周波数帯をまずはとりあげます。
- LTE:2100/1800/900MHz
- WCDMA:2100/850/900MHz
LTEではdocomoとSoftBankのLTEに2つ対応しています(1800MHzが1700MHzも内包)。LTEに関してはそれほど心配の要らない問題になるかと思います。比較的広いエリアの周波数帯に対応しているからです。
問題はWCDMA、つまり3Gのほうなのですが、このAscend P7は「FOMAプラスエリア」にソフトウェア的な問題から非対応になっています。これは特に郊外に住む人々にとっては問題が大きいかもしれません。通常のFOMAエリアには対応していますが、速くてとにかく広大なエリアを持つFOMAプラスエリアに対応していないと、おかしなところで圏外になってしまう可能性もあります。
価格も安くなって最強のSIMフリースマートフォンになったAscend P7ですが、このFOMAプラスエリア非対応という部分は弱点と呼べる問題になっています。
それでもコスパは最強過ぎる
絶賛からの流れの中で、FOMAプラスエリア非対応ということに結構不安を感じる人もいるかもしれませんが、今のAscend P7にはそれ以上のコストパフォーマンスという大きすぎるメリットがあるため、今SIMフリースマートフォンを購入するならばこれしか無いと言える状態です。
ZenFone 5に取られていた話題性というのを、今回の定価下げによって取り戻したように思います。29800円でフルHDのハイスペックスマホが手に入るのは数ヶ月前の格安スマホ市場では考えられなかったことです。
現在Amazonなどで定価29800円(税込み32800円)で販売されています。この定価より安くなっているところは見当たらないので、今のところこれが最安値になるでしょうか。ただ楽天などだとポイントも一緒に手に入るので実質的な販売価格はAmazonよりも安くなっています。送料分ぐらいは確実にペイ出来るだけのポイントが付きますので、実質的な購入価格を下げたい場合はそちらがいいでしょう。
とにかく今この時期にSIMフリースマートフォンを購入しようと思ったら、ZenFone 5以上にオススメなので、Ascend P7の購入は考えてみたほうがいいと思います。
HUAWEI[LTE対応]SIMフリースマートフォン 「Ascend P7(LTE)」 |
FOMAプラスエリア非対応とのことですが、以下のページには対応と書いてあります。
素人なのでよく分かりませんが・・・
http://smart.diipedia.net/smartphone-simfree-foma-plus-area.html
ファーウェイ機のBand5は互換性ないはずです。ソフトウェア面で影響しているという話だったような気がしますが。
Ascend Mate7も非対応ですし、ファーウェイスマホはFOMAプラスエリア非対応と考えたほうがいいと思います。