SoftBankの契約の一つに「シンプルスタイル」というものがあります。これはプリペイド式で払い切りの契約になっており、使う分だけ料金をチャージすることで通話はもちろんスマートフォン端末だとネット通信も可能です。
さらにチャージしていない時でもSMSの待ち受けだけは一定期間可能となり、チャージなしでも電話番号を有効活用することができます。
今までこのシンプルスタイルは、プリモバイルとして予備の電話番号、仕事の関係等で別の電話番号が短期的に必要な時に活用されていました。シンプルスタイルになってからはそれにネット通信も可能となっています。
例えば数ヶ月以上の出張の際に現地で使う回線としてや、派遣などの仕事で職場用の回線として使うなど、利用用途は多岐に渡る特殊な契約です。
その中にARROWS A 301Fが追加
このシンプルスタイルですが、この度新たな対象スマホにARROWS A 301Fというこれまで通常の契約でのみ販売されていたスマートフォンが追加となりました。301Fは2013年後半に発売されたスマホのため、結構前の機種という事にはなりますが、比較的操作の快適さが良いのであまり古いスマートフォンという感覚はしません。
動作はキビキビ、サクサクという程ではありませんが、2万円ほどの格安スマホよりはメリハリのある動きをします。
その動作が比較的良い理由は、カタログスペック上はNexus 5と同じというところにあります。以下にスペックシートをおいておきますが、チップセットとRAMの容量という体感する動作に最も影響を与えるパーツがNexus 5と一緒です。
Android Ver | 4.2 |
---|---|
CPU | Snapdragon800 |
ROM | 64GB |
RAM | 2GB |
ディスプレイ/解像度 | 5インチ/FullHD(1920×1080) |
メインカメラ | 1300万画素 |
重量 | 154g |
LTE Band | B1/3/8/41 |
その他諸機能 | おサイフケータイ 防水・防塵 指紋認証 フルセグ |
Nexus 5のようにサクサク動くかというと、プリインストールのアプリなどの影響で難しいところですが、それでも基本性能は2年経過した今でも「高性能」に分類されるものです。Snapdragon800シリーズの非常に安定したCPUですので、昨今の格安スマホのSnapdoragon400シリーズよりも数値上は良くなっています。
そして防水・防塵機能という富士通らしい機能が揃い、チャージ代込みで25000円という割と購入しやすい価格で攻めてきています。
古くはあるものの、当時のハイスペックスマホであり、今の格安スマホの低価格ミドルスペック帯が増えている中では、今回の価格での提供は高性能スマホとしてミッドレンジのSIMフリースマホに対抗しうる販売内容です。
301Fは更にSIMロック解除(対応保留中)でdocomo系の回線も使える
しかし301FはSoftBankの契約、一方でSIMフリースマホはMVNOによる幅広い契約が可能なため、価格と性能を単純に比較する事は出来ません。SIMフリーなら多少なりとも価格と性能が悪くても、使い道は沢山あるでしょう。
こうして見ると301Fのほうはたとえ10000円分のチャージがあってもあまりメリットがないような気もします。
ところが、この301FはSIMフリーに出来るという普通のSoftBankスマホにはない特徴を持っています。正確にはSIMフリーというよりもSIMロック解除が出来る(シンプルスタイル版が可能かどうか確認中)というものなのですが、SIMロック解除が義務化される以前からSIMロック解除を受け付けていた数少ないSoftBankスマートフォンの一つにこの301Fが含まれます。
SoftBank端末でdocomoのMVNOが使えるのは4機種 格安SIMを使う価値があるのは301Fぐらい | やすしむ!!
これにより301FではSoftBank回線はもちろん、docomo系MVNOでの通信通話が可能になっています。
25000円で10000円分のSoftBankの通信料を使ったあとには、SIMロック解除をしてdocomo系MVNOでの通信を可能にしたとても面白いタイプのスマートフォンになっています。
シンプルスタイルの10000円分チャージをうまく使い切って有効活用できれば、実質15000円で301Fを購入可能と考えて良いかもしれず、そうしてみると性能の割にMVNOが使える安いスマホとして見る事ができます。
シンプルスタイルは2日、7日、30日のチャージ
シンプルスタイルをうまく使えれば実質15000円と考えることが出来ますが、ちょっとこのシンプルスタイルは癖があります。
というのも、チャージした分を使うにはそのチャージした金額で利用期限を購入するわけですが、その購入できる期間が一番安くて短いのでも2日分からになっています。恐らく使いたい時だけ使うという形で運用したい場合で、1日分だけでいいという人が大半だと思うのですが、Softbankでは2日分と割と中途半端な形で利用期間の販売をして、チャージ金額の消費をさせようとしてきます。
2日プランでは900円の料金がかかりますので、10000円チャージ分だと22日分(事務手数料分が消えているので約15日分に)で終わってしまいます。他にも7日で2700円、30日で4980円というプランもあり、そちらなら最大60日間使えますが、普通に使うには若干高めになっています。
このシンプルスタイルの10000円チャージについては、格安SIMと比べてしまうと決してコストパフォーマンスの良い内容ではありません。なので今回の契約の無料チャージが10000円分丸ごと活用できる機会というのはそれほど多くないでしょう。そこは覚悟した上で契約をしたほうがいいです。
解約金は1年以内の解約にはかかるものの、1年以上チャージしなかった場合は無料で自動解約されるため普通に使うには問題ありません。問題になるのはMNP弾として踏み台に使う時だけです。
性能・機能共に揃っている
このように10000円チャージ込みで25000円、そしてSIMロック解除可能となると途端に魅力的な機種へと変貌します。Snapdragon800のチップセットは、2年前とは言え傑作と呼ぶにふさわしい安定した動作を提供してくれ、AndroidがiPhoneに並ぶきっかけを作った名CPUです。
多少チューニングの甘さで301Fの場合は動きが鈍くはなっていますが、基本性能自体は疑いもなく良いものになっています。しかもオサイフケータイ、防水・防塵機能という日本人が欲しがる機能を用意しており、SIMロック解除と合間って機能性は非常に良いです。
弱点はdocomoのLTE BandにはBand1と3しか対応していないことですが、Huawei機を使うような感覚でいればある程度は納得できるレベルの問題でしょう。価格を考えれば十分です。
白ロムでも301Fは購入出来ますが、未使用で27000円と昔に高性能さとSIMロック解除が話題になった影響で高額化していますので、どうせならSoftBankのLTE通信が10000円分使えるこの契約のほうを購入するのがよいでしょう。
いつもブログを拝見しています。
深く掘り下げた文章に勉強させていただいております。
さて、301Fですが、この機種はSIMロック解除ができるということで、
私も以前から注目していました。
今回はシンプルスタイルからアウトレットでの発売ですので
注意点がいくつかあります。
1.チャージ済みの10,000円から契約時の事務手数料が控除されます。
従って全額を通信料には使用できません。
2.アウトレットは本体と電池パック以外の付属品は添付されません。
クリアボックスでのお届けになるとHPで明記されています。
3.もっとも大事なことですが、SIMロック解除の狙いの人は、この
シンプルスタイル版の301Fも解除可能か事前に確かめた方が
安心ですね。過去にプリモバイル版(当時)の201HWでトラブルに
なりました。
色々ご指摘ありがとうございます。事務手数料の件、知りませんでしたので助かります。
それとSIMロック解除は確かに201HWの3G版の扱いを見ると安易に勧められない内容ですね。一旦この記事を検索に引っかからないようにしてカスタマーセンターへ質問を投げてみたいと思います。
ありがとうございました。